7話

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中野先生「ま、まあとりあえず理事長室に向かいましょうか」 そんな様子に、口を抑えて笑っている先輩。 なんなのか気になるが、このままでは進まないので先生の後をついて行った。 母「本当にありがとうございます」 理事長「いえいえ。生徒を第一に考えることこそ教育者の務めというものですから」 理事長室。理事長と母が挨拶を交わしあった後、母がお礼の言葉を述べる。俺は母に合わせお辞儀。 扉から見て右側のソファーに俺と母は座り、向かい側のソファーに理事長と中野先生、真琴先輩が座る。 今回、担任の中野先生を交えたのは、手続きの説明と確認のため。真琴先輩は、仲介役みたいな立場らしいけど。 しばらく、あくびが出そうになるのをこらえながら、理事長の話に耳を傾けた。 手続きの説明と確認が終わると、今後の予定について、話が変わる。 理事長「さっそく急ですみませんが今日、先日優希くんにお話した検査を午前10時より行いたいと思いますが…お時間よろしいですか?」 母「はい。大丈夫です」 理事長「精密検査となりますので、学校近くの南雲第三病院にて行います。車は手配してありますので────────」 検査と告げられ、ふと思った。 検査かぁ…女になった原因も判明するのかな。病気だったりして…でもそんな変わった病気聞いたことないしなぁ… だいたいの説明が終わり、少し堅かった空気が和らぐ。 予定より早く説明が終わったため病院に向かう時間まで少し時間が出来た。そこで気を落ち着かせるためか会話が雑談に変わるが、中野先生が俺の日頃の授業態度など暴露しようとしたので、それを必死で止めたのは言うまでもない。
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