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理事長「誠に申し訳ない」
事務室から鍵を借り、生徒からの相談などに使われる面談室1に入ると、理事長は振り向き深々と謝罪し始めたのだが、俺はなんのことか分からず困惑の色でいっぱいになる。
優希「えーと、すみません。何のことでしょうか?」
理事長「あー…昨日、優希くんに思わず抱きついてしまったということについてなんだが、優希くんが愛娘に似ててな最近反抗期なのか、ちっとも顔を合わせてくれず…優希くんを見たとき、思わず…」
やってしまったのか…
理事長「それでだ、教育者である自分が生徒に対し、とんでもない行為をしてしまったと反省している。大変申し訳ない」
優希「ああ、そのことですか。大丈夫ですよ、もう気にしてませんから」
理事長「本当か!?あ、いやすまない。昨日君たちが下校した後に、真琴から電話がかかってきて、そのことについて叱られてしまってな。反省したんだが、その時運悪く嫁の耳に入ってしまい、その日…」
優希「その日?」
理事長「これ以上は悪夢を思い出してしまうから言えん。と、とりあえず二度と抱きつくなどということはしない。ということと、この件について謝罪をしたいと思い君に話をした。誠にすまなかった」
優希「はは…分かりました」
理事長の顔からは、とてつもない罰をだったんだなということが容易に理解出来た。
それに今回抱きつかれただけだし、反省しているようならいいんじゃないかと思い、許すことにした。
母が待っているので理事長に今後は気をつけてくださいねと言って、その場を後にする。
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