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トキワの腕の中からバインダーを奪い取ると請負人と書かれた欄にタオ、トシとでかでかと記した。トキワにバインダーを突き返すとタオはトシのもとへと向かった。
「トシ起きろ。クエスト決まったぞ。ループス退治だ」
「すいません、全部任せてしまって」
「いいって、代わりにこれから山で活躍してもらうからな」
「できる限り頑張ります」
のそりと椅子から立ち上がったトシにトキワが鼻が曲がりそうなほど臭い濃い緑色の液体を渡した。
「この酒場で一番効く酔い覚ましよ。今のあんたじゃタオに迷惑がかかるわ。飲んでおきなさい」
「すみません、お気遣いありがとうございます」
受け取ったもののあまり臭気に飲むのをためらってしまう。
「男でしょ、さっさと飲みなさい!」
トキワの言葉に後押しされてトシは一気にその液体を飲み干した。どろりとした液体がのどを通る感覚にむせたが、味はそんなに悪くなかった。
「飲んだわね。じゃあタオ、酔い覚まし代として500トリアつけとくわね」
「俺かよ!」
「そうよ。今更500トリア増えたくらいくらいどうってことないでしょ」
「…まあそうだけどよ。なんか腑に落ちねー」
「はいはい。でもホントに気をつけて行ってきなさいよ、二人とも」
「おう! 行ってくるわ」
「行ってきます」
こうしてタオとトシはショウギョへループス退治に向かった。
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