第一章

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広い会議室に入ると大きな楕円形の机があり、その周りに何十人もの社員が座っていた。 真「ありがとうございます」 着席する前に資料を受け取る。 顔を上げると日向くんをすぐに見つけることができた。 ふっと微笑むと日向くんは恥ずかしそうに軽く頭を下げた。 会議が始まり、渡された書類に目を通していく。 あれ.. 前回の会議の時に大幅な製造個数を決めていた。 確定ではなかったが、その数字を基準にしようと立てていた数字だ。 けれどこの資料には決定数値の半分以下の数量が記載されていた。 真「申し訳ありません、この数量はどういうことでしょうか」 数量が記載されていたページにちょうど入ったところだった。 俺の一言に会議室が静まりかえる。 男「あっ、それはですね..えぇー..予算の面で少し訂正がありまして、数量を変更させていただきたいと..はい」 真「けれど腑に落ちませんね。これじゃ先日申し上げた分の半分じゃないですか」 男「そ、それはそうですが..」 いくらなんでも減らしすぎる。 売れなかった時の事を考えるのも大事だか、売れた時の事も考えなければいけない。
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