第一章

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司会の男性がおそるおそる言葉を発する。 男「ですが、予算のことを考えると「その話しはこの前、合意に至ったはずです。勝手に変えられてはこちらも黙っていられませんよ」 なるべく衝突は避けたかったが今回は流石に黙ってはいられない。 司会の男性が焦る中、ガタッと静かな会議室に物音が響いた。 男「お言葉ですが―……」 そう言って一人の男性が立ち上がった。 男「先日の会議が終わった直後、予算をもう一度見直していただけないかと資料を送らせていただいたのですが」 反論された驚きと、はきはき話す彼を見て暫く彼をじっと見てしまった。 真「それは、失礼致しました」 男「いえ」 それだけ言うと彼は再び着席した。 男「申し訳ありません!!」 会議が終わり退室したところで今回の企画のトップである片山(カタヤマ)さんが頭を下げてきた。 真「片山さん頭を上げてください。こちらの不手際です、申し訳ありません」 片山「本当にあの宮野は、あの社員には日頃から困っておりまして」 宮野(ミヤノ)っていうのか..
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