第一章

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先程の彼が脳裏に浮かび、ふっと微笑んでしまった。 真「片山さん」 片山「はい」 ハンカチで汗を拭いながら俺を見上げる。 真「彼に会わせていただくことは可能ですか??」 片山「宮野、ですか??」 真「はい」 どんな人なのだろうと、この歳になって好奇心が湧いた。 そして何より、 面と向かって反論されたのが初めてで新鮮だった。 片山さんはわざわざ部屋を用意してくれ、社内アナウンスまで流してくれた。 真「千早も三木も、先に車戻ってて」 千早「わかった」 三木「かしこまりました」 一緒に待機していた千早と三木にそう告げると側にあった椅子に腰掛けた。 二人が退室し、暫くするとドアをノックする乾いた音がした。 真「どうぞ」 ガチャ 男「失礼致します」 会議中は遠かった為分からなかったが、近くで見ると俺より歳上なのだろうと推測できた。 身長は俺とあまり変わらず、髪色が黒いせいか少し怖そうにも見えた。 ふわっとタバコの匂いもした。
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