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俺が立ち上がると、彼は頭を下げた。
男「先程は申し訳ありませんでした」
真「何故謝るんです??」
男「出過ぎた真似を致しました」
真「謝罪しろと、言われたんですね..申し訳ない」
俺がそう言うと彼は不思議そうな顔をした。
真「お名前を伺ってもよろしいですか」
男「宮野孝宏(ミヤノ タカヒロ)です」
宮野孝宏..
真「若い奴が生意気にと思われたことでしょう」
宮野「いえ、仕事ができるできないに年齢は関係ないかと」
真「....」
宮野「私も今年で32ですが部下にもたくさん私以上に仕事ができる者は大勢います」
真「そう思ってくださる方がいらっしゃると、こちらも助かります」
そうか..
宮野「いえ」
そうか。
ふっと微笑むと俺は右手を差し出した。
真「これからもよろしくお願い致します」
宮野「こちらこそ、よろしくお願い致します」
そう言って握手を交わす。
真「近々またお会いしたい」
握る手を引き寄せると耳元でボソリと呟いた。
真「次はプライベートでぜひ」
宮野「っ、?!」
困惑する宮野の横顔を見ながら、俺は部屋を後にした。
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