第一章

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今季最高の暑さを記録するだろうといわれていた、ある夏の日。 「ねぇ」 額の汗を拭いながら振り返ると帽子を深く被った男が立っていた。 夏休み終盤に差し掛かり、登校日で久しぶりに学校へと行っていた。 午前中で終わり友達と他愛もない話をしながら途中まで下校し、別れたすぐ後のことだった。 真「なんですか」 蝉の鳴き声でかき消されるかもしれないか細い声で呟くと、聞こえていたのかその男はじりじりと俺に近づいてきた。 ヤバい、 見るからして怪しいその男に俺は瞬時にそう思った。 心臓の鼓動がはやくなり、恐怖心からか鞄の持ち手に力が入る。 真「失礼します」 ぼそりと呟き走ろうとすると右腕を強く引っ張られ 真「っ、!」 そしてそのまま口に布を当てられた。 ―――…… 真「....」 またか。 夢だと気がつくのは真っ白な天井を目にするとき。 ゆっくりと起き上がると小さく息を吐いた。
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