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父は大手貿易会社の代表取締役であり、母も父の会社で働いている。
学生からの付き合いで今もとても仲が良く、休日には必ず二人で出掛けている。
代表取締役の息子だからといって幼い頃から特別な環境で育ったわけでもなく、普通の公立学校に通い、大学へ進学し就職した。
上に兄が二人いるけれど喧嘩、言い争いもしたことがなかった。
一番上の正樹(マサキ)兄は父の会社で働き、二番目の慎二(シンジ)兄は父の会社傘下の印刷会社代表取締役、そして俺も父の会社傘下の製造会社代表取締役を任されていた。
真「三木が動くとお手伝いさん困るね」
朝食を口へ運びながらそう言うとお手伝いさんがそんなことは、と言いながら三木から畳んだタオルを受け取った。
三木「すいません、性分なもので」
真「兄さんの時もそうだったの??」
三木「はい」
そう答える三木に思わず吹き出してしまった。
真「休める時に休まないと、それに三木は一応秘書だからね」
三木「ありがとうございます」
俺の前の秘書が結婚を機に退職し、後任の秘書を探していたところ、慎二兄が三木を勧めてくれた。
何度か慎二兄の横にいる三木を見たことがあったが、まさか自分の秘書になるなんて思ってもみなかった。
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