第一章

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大学を卒業してから、俺は慎二兄の会社で働いていた。 兄弟といっても仕事とプライベートはきっちりと分け、俺もそして慎二兄も上司と部下という関係。 学生気分が抜けきっていない当初は少し寂しく感じていたが、時が経つにつれ逆にやりやすいと思うようになっていた。 そして俺が25の時、父に呼ばれ今の会社の代表を任された。 真父「どうだ、やってみないか?」 真「やってみないかって..」 正直、父がいつもの明るく軽い調子で言っていることに驚いていた。 真父「別に思いつきで言ってるんじゃない。正樹とも、慎二とも話をしたんだよ」 真父「やるか、やらないか」 真「っ..」 緊張と不安でどうにかなってしまいそうだった。 前に進むか、現状維持か、 真「よろしくお願いします」 そう言って俺は父に頭を下げた。
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