第一章

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“若いから” そんなことでも恨みを買うんだな。 仕事ができない、要領が悪い、愛想が悪い、、 そういうことであれば自分でも何か変えようとすることができる。 けれど“若いから”という理由で文句を言われてはこちらもどうしたら良いものか。 ―――…… 真「難しいな」 千早「ん??」 真「ふっ..いや、なんでもないよ」 移動中の車内で呟いた独り言に反応されてしまった。 千早「なんだそれ」 俺の向かい側に座り書類を鞄へとしまっているのは岡安千早(オカヤス チハヤ)。 従兄弟でもあり、仕事仲間でもある。 アメリカへ留学していたが、こちらへ帰ってきたと同時にそのまま俺の会社へと入社することになった。 真「ちょっと昔のことを、ね」 あれからもう4年.. 時間が過ぎるのはとても早い。 幸い仕事も軌道に乗っており、とても充実している。 千早「疲れないか??」 真「何が」 千早「その愛想笑い」 そう言って俺の真似をしているのか、にーっと笑ってみせた。
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