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「しょーくん」
甘ったるい声で俺の腕にしがみついてくる径くん。
「ん?どうしたの?」
普段甘えてこない彼が甘えてくるのは、missionがある日の前日だ。
彼は優しいからきっと俺の気持ちに気が付いている。
今までそんなことは一度もなかったのだから大丈夫だとわかっていても、missionの途中で朱雀に支配されるのを恐れている俺がいる。
俺は‥俺の中にいる朱雀がコワイ。
「しょーくん。オイラのことだけ考えて?」
普段から瞳が潤っている彼に上目遣いでこんなことを言われたら、本当に径くんのことしか考えられなくなる。
「俺はいつも径くんのことだけ考えてるよ?」
「ふふ。そんなこといっていーの?」
悪戯な笑みを浮かべる径くん。
誘ってるのか?
ってそんな訳ないか。
常に彼は無自覚だから。
ちょっと目を離すと誰かに捕られそうな気がして気が気じゃない。
「うん。事実だからね。」
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