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「へぇー。そうなんですか将さん。」
いつもより低い怒った口調の和葉の声が聞こえて急いで後ろを振り返る。
「なっ?!いつから?」
「初めから居ましたけど。」
部屋に来たときから?
全然気が付かなかった‥
「径くんと一緒にきたの?」
「はい。」
「あ、あの‥ごめん。そういう意味じゃ無くて、えっとー・・・」
「いえ、もういいです。将さんなんか知らないですから。」
そう言って部屋から出て行こうとする和葉。
「ちょ、ちょっと待って!!」
誤解を解くために追い掛けようとすると、後ろからぎゅっと抱き締められる。
「径くん?」
「オイラのこと、置いていかないで‥お願い。」
そう言って泣き出してしまう径くん。
「え、え?!径くん。お、落ち着いて!置いていかないから。ね?俺ずっと側にいるから。」
「ほんと?」
瞳にいっぱい涙をためて言う径くん。
あのー、超絶可愛いんですけど。
((ぎゅうううう))
力いっぱい径くんを抱き締める。
「本当だよ。俺を信じて?」
すると、こくんと頷いた。
信じてくれたみたいだ。
良かった‥
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