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「『知っていた』はずなのにっ!!」
身体が反応できなかった
目の前で倒れる慧音を俺はただ見てるだけだった、油断をして招いた結果だ
「ごめんよ慧音」
ゆっくりと抱き抱える
何か無性に壊したい気分になった、慧音を斬った女…水無月ささらを殺したいとも思っている
だがそんな気分を一気に吹き飛ばしてくれたのは誰でもない、彼女…上白沢慧音だった
「私は大丈夫だよ桜太…安心してくれ、ささらはまだ良心が残ってる」
そういって慧音は俺の右手をとり、腹部を触らせる
「け、慧音!?」
「どうだ桜太?これでもまだささらに良心がないと言えるか?」
慧音の行動に少し動揺してしまっていたが、冷静になってみると見えるものがかわってくる
本来なら斬撃をうけたはずの慧音の腹部には、生暖かい液体が流れ出していてもおかしくはないはずだ
しかし慧音の腹部からは何も流れ出してない…いや、慧音からは何も流れ出してない
「いったいどうして…」
謎は深まるばかりである
慧音は峰打ち
ささらの護衛の撤退
明らかな俺への挑発
ささらは何か考えがあるのだろうか…
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