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「春輝ーー!」
そういって軽く叫びながら待ち合わせの場所に小走りで急ぐ。
私の声に気がついたのかこちらに振り返り笑顔で手を振った。
「おはよ、春輝!」
「おはよ、由香」
私は思い切り春輝の胸元に飛び込み顔をうずめた。
「んぅ、春輝の匂い、すきー」
幸せそうに笑っているのか春輝の顔が綻んだ。
「んじゃあ行くか!」
「今日は図書館で勉強じゃないの?」
「毎回図書館だとつまらないだろ?だから、今日は遠出すっぞ!」
私の手を優しく包み込み前を歩く。
春輝は大学受験生で毎回学校の帰りに図書館に寄るのが日課になりつつあった。
確かに春輝の言うとおり私は高校卒業したら普通に就職しようと思っているから春輝に付き添って読書をしているだけだった。
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