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顔を歪め、痛みに堪える俺と何食わぬ顔で出ていく亮児を交互に見た後、兵藤が俺に言った。
「代知、俺は奴を追う。だがお前は動くな。そんなに悪い傷ではないが無理に動かすと危険だからな」
「なんでそんなことわかるんだよ」
「俺は医大生だ」
忘れてた……。
「ってわけだから亮児は俺に任せろ。リクはどうする?」
そう兵藤がリクに聞くと、俺とミナキの顔を見た後、兵藤を指差した。
「よし、決まりだ。だったら早く行くぞ」
そう言うと兵藤はリクを担いで部屋を飛び出していった。その奇行に残された俺達はただ固まるしかなかった。
「なんでリクは担がれなきゃならなかったんだ……?」
「わからないですね……」
そんなくだらないことで悩んでいると同じように固まっていたカイナが聞いてきた。
「なんであのお兄さんは西に行きたいの?」
「……俺達はこいつに導かれてここに来たんだ」
俺とミナキは右腕に付いている端末をカイナに見せる。それを見た途端、彼女の顔色が変わった。
疑問から興奮の色に。
「それは……、『サラマンダー』と『ライトニング』の証、『Dーレジェンド』」
「「Dーレジェンド!?」」
どうやら俺達は中学二年生の考えるような世界に飛ばされたようだ……。
意味不明すぎる……。
to be continue...
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