Rain...3(ショウ×径)

3/4
前へ
/48ページ
次へ
案内されたのはいつものあの部屋だった。 カーテンは閉まっていた。 俺はいつもあそこから見てるんだよな。 今日は部屋の中で見れるんだ。 蒼井さんは曲を流そうとしたとき、何かに気付いたようでカーテンを開けた。 「なんでカーテン開けたんだ?」 「んー?雨の日だけ僕のダンスをみにくるがいるんだぁ。」 蒼井さんはそう言ってフニャっと笑った。 曲が流れ始めると蒼井さんはまるで別人かのようなキリッとした顔つきに変わって踊り始めた。 ただひたすら‥ 鏡の前の自分を見つめて彼は踊り続けた。 いつも雨の中で見ていたけれど、彼のダンスを近くで見るといつもよりずっと凄いと思った。 彼は羽がついていて浮いているかのように舞う。 まるで‥ 「weightlessness-無重力-」 この日から俺は、彼のダンスに、彼自身に、彼の全てに・・・夢中になった。  
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加