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「径くん」
「さみぃよ、しょーくん」
そう言う彼の頬に触れてみると、氷のように冷たくて思わず声をあげてしまいそうだ。
いつから居たんだろ。
「早く入って入って、風邪ひくよ?」
おじゃまします。と小声で言って小さく丸まって家に入る智くんを見るとなんだか愛らしく感じる。
そのまま径くんは寝室に直行し、俺のぬくもりがまだ少し残っているベッドに入って、あーあったけぇと言っている。
そんな彼にホットミルクを渡す。
「ありがと」
そう言ってふにゃっと笑う彼を見ると、こんな可愛い人が何故彼氏なんだろう普通は彼女じゃないのかと考えてみる。
「あったかい」
「いつから居たの?」
「4時くらい」
あんな寒い中1時間も待ってたなんて、信じられない。
「電話気付かなくてごめんね」
「へーき」
「でも、俺のせいで風邪ひいたら…」
そうだ。
まだ雪が溶けきれてないそんな状況で外で1時間なんて…そりゃ撮影で6時間とか外に居ることはあるけどスタッフさんやマネージャーが風邪ひかないように出来るだけ身体が温まるように心がけてくれる。
「そんな顔すんなよぉ オイラがただ将くんにあいたくてきただけだから」
俺も会いたかったなんて恥ずかしくて言えなくて、顔を赤らめて下を向く。
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