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 焼けた屍は埋めて肥料にするとして、熔けた金属類は鍛冶屋か屑鉄屋に持って行こう。何に効くのか知らないけれど、薬物として取引されている人間の爪。怒りに任せて火を吐いてしまったから、焼け残ったのは四体の手足合わせても十数枚。全部人間だったかしら? ま、いいか。で、物色は終わり。  残りは、穴掘り…… 「面倒だな。臭いけど、明日にしようかな」 「手伝おうか」  いきなり背後から低い声が降りかかり、私は慌てて振り返った。すぐ後ろに立っていたのは……顔見知りの妖精族、ハイエルフのミンだった。一瞬張り詰めた緊張感が、プツンと切れる。 「びっくりした。どうしたの、急に。火ぃ吹きかけるとこだった」 「あはは、無事で何より。サラの寝床辺りからたくさん悲鳴が聞こえたから、飛んできた」  ミンは私よりも耳がいい上に、攻撃魔法以外は魔術万能。瞬間移動の魔法を使ってここまで来たに違いない。彼は、何やら呪文を唱え始めた。四つの肉塊はあっという間に地面に埋もれて、私が延焼させた寝床や茂みまで元通りにしてくれた。
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