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地下安置所と書かれた部屋は探そうとしなくても直ぐに見つかった
扉の前には警察官が1人、警備係なのか警棒を持って立っていた
「ん?ここは子供が来る所じゃないぞ」
「大平雅の遺体があると聞きました。友達です、会わせて下さい。」
「……見ない方が」
「いいんです!会わせて下さい!!」
「…分かった、気をしっかりと持てよ」
ギィィーと鈍い音を立てて扉が開く
涼しい、いや少し寒いと思うほどの冷気が肌を刺激する
…ここに雅がいる、そう思うと少し悲しくなった
「大平雅…これだ」
そこには雅のお母さんが言っていたように頭だけがない雅の体が横たわっていた
顔がないんだから雅じゃないんじゃないか…
そう思ってた矢先、ズボンのポケットから携帯が落ちた
ガシャンッ…
携帯を見た瞬間…
涙が止まらなくなった
俺が中学の時に誕生日プレゼントであげた手作りのストラップ
間違いない、こいつは雅なんだ
視界がぼやける
頭が考える事を拒否する
雅は死んだ…しんだ…シンダ…シんダ…
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