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本当の母親の顔はあまり覚えていない
ばぁちゃんが言うには俺そっくりらしいが
よく分からない 思い出せない
何故死んだのかと聞くと「祟りじゃよ」と言われるだけ
幼い俺には理解が出来なかったけど 今なら何か分かる気がする
雅が死んだのは「祟り」?
頭に浮かんで直ぐ消えた
馬鹿らしい、祟りなんてあるもんか…
そんな事を言いながら俺はいつの間にかばぁちゃんの部屋まで来ていた
ばぁちゃんも今の家族から疎まれて俺と一緒に離れで暮らしている
「…なぁ、ばぁちゃん。ちょっといい?」
襖越しに声を掛けるとヨイショと小さく声が聞こえた
襖が開き笑顔のばぁちゃんが見えた
「尚か、どうかしたのかい?」
「…俺の友達が死んだんだ」
「……辛かったのぅ…」
「祟りかもしれないって言ったら…ばぁちゃんどうする?」
ばぁちゃんの眉がピクッと動いたのを俺は見逃さなかった
「俺の友達の死に方、ちょっと変なんだ…人の仕業じゃない気がするんだよ…」
「最近の若者は人を殺めるだけでは済まない人もいるからのぅ…そういう輩ではないのかい?」
「ばぁちゃん!真剣なんだよ!俺の友達が首引きちぎられて死んでるんだ!!」
「…っ!!…首とな…」
「何か知ってんの!?」
沈黙が続く
どれくらい待ったか分からない
そんな沈黙を破ったのは小さな声だった
「まさか…本当に…」
「ばぁちゃん頼むよ!知ってるなら教えてくれ!!」
「…お前の母親、“美雪”もな…首がないんじゃ…」
「それ…どういう…」
「祟りじゃと言ったじゃろ、未だに見つかっておらんのじゃ…」
俺の母さんと雅が、同じ死に方…?
祟りで殺された?一体…何の為に…?
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