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そう、今の市長は殺人鬼の子孫だ
でも本人も知らないだろうな
わざわざ言い伝える親はいないだろう
今だって何か問題がある訳じゃない
問題があるとすれば太りすぎな事くらい
俺のひぃばぁちゃんは警察隊だった父に聞き
その話を誰にも言うことはなく
ただ俺の家系だけの言い伝えのように話した
「この話は誰にもゆぅてはならん。口にすれば大きな災いがこの町にまた降りかかってしまうからのぅ…。」
こんな昔話をずっと伝えているばぁちゃんも
正直どうなんだって思うけど
何も知らずに平然と市長してるおっさんも
市長の器じゃねぇだろと思ってしまう
正直言って俺はビビりだ
だから祟りとかそういうの気にしねぇフリしながらも
結局は気にしちまってる
だからこそ、いわく付きの田舎臭い町とさよならする
「…お…?……い、おーーい!尚!!」
「…え?」
「え?じゃない!俺の人生相談してたのに!」
「どうせまた継ぐか継がないかの話だろ」
「あったりー♪って軽い問題じゃないんだぞ!!」
頬を膨らませながら拗ねる雅
同じ高校3年とは思えない程のガキだ
まぁ継ぐか継がないか、もう決まってるけど
「お前が継がないと店どうすんだよ」
「だよね~いいよな、親がサラリーマンだと継がなくてさ!あ、でもお前サラリーマン継ぐよな?なっ?」
キラキラした目で見てんじゃねぇ
そもそもサラリーマン継ぐってなんだよ
「継がねぇよ、俺は作家になるんだ」
「え!?サラリーマン継がないの!?嘘、親不孝者だ!!」
「うるせぇな、お前…そんなに跡継ぎの話に友達を巻き添えにしたいかよ」
「…!!!友達、友達って言ったな今!いやぁ…小3以来か、友達って言ってくれたの♪ラッキー!今日はいい日だ!」
「チッ…何でもいいだろ、俺は帰るぜ!」
「一緒に帰るって言ったじゃん!ちょっと待てよ~」
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