眠れないうちの姫

相沢 悟

俺には大学時代から、付き合ってる悠美という彼女がいた。
なんとなくだらだらと今まで続いてきた。
俺の女癖の悪さから彼女に言われて同棲をしていたけど、それでも他の女と遊ぶのは止めなかった。

ただ、特に最近は、付き合ってる彼女よりも、黒沢遥香の方が、気になっていた。潮時だと思った。

だから、俺は彼女に

「別れよう。」

と言った。

最後くらいは誠実に対応しようと思った。

「何で!?悟が浮気したって許してきたじゃない。」

悠美はヒステリック寸前の感じで言った。

「ごめん。他に好きな人ができた。」

どれだけ罵られてもいいと思った。それだけ俺は悠美にひどい事をしてきたし、今も自分勝手に別れようとしている。

でも、悠美はただ静かに
「分かった。」

と言った。

正直、以外だったけど俺もそれ以上何も言わず出て行った。