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先に仕事の終わった私は、カフェで相沢さんを待っていた。
会社の近くだと誰かに会ったりする可能性があるため、結局、電車に乗ってわざわざ誰も来そうにないとこまで来た。
まだ一週間も始まったばっかりなのに…。
何やってんだ私は。
そこへ相沢さんが、
「お待たせ~。」
と手を降りながらやって来た。
確かに遠目から見たら、カッコいい部類に入ると思う。
だから、女性トラブルがあるんだと思うけど。
それに何の関係もない私が巻き込まれてるんだけど…。
私はそんな事を思いながらも
「いえ、大丈夫です。」
といつも通り、当たり障りない返答をした。
相沢さんは笑顔で、
「何が食べたい?」
と聞いてきた。
私は、
「何でもいいですよ。相沢さんにお任せします。」
と無表情で答えた。
相沢さんは、少し慌てた感じで、
「調べてたら、この辺でいいとこあったから、そこ行こ。」
と言った。
私は、
「はい。」
とだけ言って、相沢さんに付いて行った。
お店に入っても、ほとんど相沢さんが一人で話していた。
私は、適当に相づちをうってるだけだった。
私は、相沢さんて話題が尽きないなぁ。さすがにモテる人は違うなぁと思っていたら、お酒も少し入ってたせいか、笑えてきた。
「ふふふっ」
相沢さんが少しびっくりして、
「今日、初めて笑ってくれた。」
そう言った。
「…。」
そう言った、相沢さんの顔が、すごく優しい顔をして…
不覚にも
どきっとしてしまった。
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