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どんな理由が有ったって、ただの同僚を、しかも異性と一緒に住むなんて、あり得ない。
私は、
「私、女だし、相沢さん男だし、それに私には何のメリットもないですから、無理です。」
と、当然の返事をした。
相沢さんは、
「大丈夫!黒沢には指一本も触れないから。もし触れたら、訴えてもいいよ。」
と言った。
そこまで言われると、お前の事は女として見てないと言われてるみたいで、少しムッとした。
別にこっちも、相沢さんの事、興味ないですけど。
相沢さんは、さらに、
「メリットはある。」
と言って、紙切れを出した。
私は、見てみると、
「これ、高級エステの会員券じゃないですか!?しかも、回数券まで付いてる」
しかも、回数券は1ヶ月に二回行っても、二年分はある。普通に申し込めば、うん十万円はする…。
相沢さんは、
「もし、ここに置いてくれるなら、それやるよ。」
と言った。
私は、
「本当に、指一本も触りませんか?」
と疑り深い目をして聞いた。
相沢さんは、
「それは、約束するよ。それに俺に家が見つかるまでの間だけ置いてくれたらいいから。」
と言った。
確かに、そんな短期間でエステの会員券が手に入るならおいしい…。
私の気持ちはぐらぐら揺らいだ。
それに、1日の大半は会社にいるわけだから…。
「いいですよ。」
と言ってしまった。
自分でも単純過ぎると思う。
「まじで!!ありがとう!」
「ただし、私の生活の邪魔はしないで下さいね。」
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