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君との出会いは一年前だった。
「今日、中途入社の人が来るらしいぞ。」
朝、喫煙所で一服していたら、同期の中田が話しかけてきた。
「へぇ~、男、女?」
正直、あまり興味はなかったが一応聞いてみた。
「女らしいよ。可愛い子がいいなぁ。」
「お前、社内であんまり手を出すなよ。」
中田とは、よく二人で悪さをしていた。
俺も中田も、正直、女癖はよくない。ただ、お互いが手を出した女は被らないようにしていた。
中田は、
「お前が言うなよ。」
と呆れながら言った。
「黒沢遥香です。よろしくお願いします。」
と、朝礼で彼女は挨拶した。
中田がこっそり、俺に、
「そこそこ可愛いじゃん。」
と言った。
俺も確かにと思った。
その時は、それ以上なんとも思わなかった。
中田は、それから、ちょいちょいちょっかいを出そうと頑張っていたが、彼女は一切無視していた。
というか、彼女は誰とも関わらないようにしているみたいだった。
どちらかというと、人なつっこいタイプかと思ったので以外だった。
それが気になってよく目で追うようになっていた。
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