青い妖精

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青い妖精

遠くの方からキラキラと美しい音がした。 (聞いていておちつく…天使が迎えに来たのかしら…) そう、思い浮かべた時、声が聞こえたのだ… 「アナタの望みを叶えましょう…」 その時、私は青い光に包まれ、驚きのあまりベッドから飛び降りて、こう言ったのだ。 「私に何を…!!」 気付いただろうか? 私は光を青と認知し、ベッドから降りるという行為をし、口を聞いたのだ。 「体が生きてる…」 しかし喜びはつかの間 「コレは一時的な魔法、」 「一時的?」 「あなたが人を幸せにすれば、その体を人間に戻してあげましょう。」 「人間?」 「自分の体をご覧なさい?」 言われて、鏡を見る。 「ぁ…!!」 この体は、この体は大好きな、大好きな人形のジェニーじゃない!! 「愛里、私をご覧なさい。」 「はい。」 「今のアナタは人形でしょう?人間になりたい?」 「なりたいです。あの頃の私に。」 「なら、人を幸せにする覚悟はありますか?」 「あります。」 「どんな過酷な旅になるかは分かりませんよ?」 「はい。でも私、頑張って人を、自分を、幸福にします。」 「では旅のオトモをお付けしましょう。おいで、ジミニー。」 何処かで聞いた事のある名前だ。思い出せない。 「分かりました。ブルーフェアリー」 足下から声がした。 よく見ると服を着たキリギリスが私を見ている。 「驚くのも無理はありませんね。」 そういって笑う女性。どうやら彼女をブルーフェアリーと呼ぶらしい。 「では、行ってらっしゃい。」 反論する間もなく、まばゆい光が私を包む。 そうして私は夢から覚めた。
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