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プロローグ
「『ナンデモナイハナシ』?なんです?これ。」
黒ぶち眼鏡の少年が目の前の本棚から一冊の古ぼけた本を取り出した。
「おお!こんな所にあったのか…。」
少年の背後から声と共に長い白髭をたくわえた老人が手を伸ばす。
少年が老人にその本を渡すと近くの椅子に腰を降ろして懐かしげに本の表紙をなぞった。
興味深げに少年がその本を覗き込む。
ゆっくりと表紙を開くと真っ白い一面の真ん中にポツリ…
『ナンデモナイハナシ』
小さく書かれた文字
「なんか読む前から読む気が失せそうな題だ。どんな話ですか?」
言葉とは裏腹に少年は興味津々な表情を老人にむけた。
「誰かにとっては意味のある話でも、別の誰かにとっては何でもない事のような話。」
「あのー、全然わからないんですけど…。」
唸るように呟く少年を見て老人が小さく笑って本を閉じた。
老人は、本を少年に差し出し彼に渡す。
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