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手を繋いだまま夜道を歩き、そして今度は俺が、立ち止まった。
「正人…俺のこと、好きになってくれたの?」
正人はメガネを押し上げ、そして深い深いため息を吐いた。
「何故好きでもない奴と、手なんか繋ぐんだ」
繋がれたままの手を見て、正人を見て、またその手を見た。
繋がっている。正人と、繋がっている。
それはどんなに正人を縛りつけても物足りない、弱い束縛とは違う気がして。
「えっと、…結婚して」
「まず部屋を片せ。そうしたら入り婿になってやる」
どうしよう。発狂しちゃうかもしれない。
終
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