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いきなり哲也が1つのポスターを見て言った。
「……ん? ゆう、かい……ぶ?」
「は、誘拐部?」
「いや、遊ぶに快感の快に部活……って書く」
どれどれ、と純は哲也が指差した紙に書いてある文字を読む。
「ほほう、遊快部に興味がおありで?」
「「うわ!」」
急に後ろから声が聞こえ、俺達は同時に驚いた。
「おっと、驚かせてしまったな。俺は瀬野慶汰、遊快部の部長だ」
「ど、どうも……」
哲也は慶汰と名乗った男性は哲也と握手をした。
「あ、俺は山本哲也です」
「哲也って言うのか。よろしくね、そして、そこの彼女さんは?」
「か、彼女じゃありません、友達です! そして、谷口純です」
「そか、残念。それじゃ、もし遊快部に入るなら歓迎するよ」
そして慶汰は手を振り、去っていった。俺達はその姿をただ見送ることしかできなかった。
すると、哲也はふとこんなことを口走った。
「俺、あの部に入ろうかな」
「うぇ!? 哲也が行くなら俺……わ、私も行くかな」
どんな部活なんだろうな……、などと思ったり思わなかったり。
そうして俺達はまた教室に戻った。
「やっぱりお前の彼女だったのか!」
教室に戻った途端、クラスメートが哲也の背中を叩きながらそう言った。
「いって! い、いきなり何すんだよ」
「うんうん、やっぱりそうだと思ったのよね。教室に入る時もくっついて入ってきたし」
「あ、あれは哲也を日陰にしてただけで……」
そんな俺の言い訳も聞かずクラスメート達は納得して帰る準備をしていた。
「なんか……一軒落着?」
「どこがだよっ、俺がお前と付き合ってるみたいじゃないか!」
「ま、噂も365日って言うじゃん?
そんなに長かったかな……。
俺はため息をつき、無理矢理納得した。
「さて、俺達も帰りますか」
「ん、ちょっと本屋に寄りたいけど、哲也はどうする?」
「そういえば、俺も買う本あったな。それじゃ、行くか」
そして俺らは帰り際に本屋に寄って行くことにした。
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