プロローグ

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急いでトイレに向かった。 あ、もちろん男子トイレだよ? トイレに入った俺はトイレ用スリッパを履き個室に入って鍵を締める。 一息ついて便器に座った俺はポケットに隠しておいたスマホと言う名のスマイルホーンといった携帯を取り出した。 ゲームのアプリをやっていると……、誰か二人トイレに入ってきたようだ。 俺はこっそり個室のドアに耳をあてて聞く。 けっして盗み聞きなんかじゃない。 その二人は小便をしながら話している。 「そういえば聞いたか?」 「何を…?」 この声は同じクラスのノッポとデブの長居と富戸沢だな…! 俺は耳を澄まして会話を聞いてみる。 「あのクラスのアイドルの北条 秋乃が四日前に告白されて付き合ったらしいぜ?」 な…なんだと?…。 「まじかよぉ…俺が狙ってたのにな!」 「ああ、マジらしい。」 「で、誰なんだよ、この高校の4大美少女の中に選ばれるレベルの北条さんの彼氏になった幸運なやつ」 そ、それだ!どこのどいつだ…デブ!良く聞いたぞ! 君にはポッチャリんという名を与えよう。 「ああ、それが田中らしいぞ?」 なにぃぃぃぃいい!!? 同じクラスの田中って言えば顔が良くて金持ちでスポーツが上手いあの田中かよ。 あいつのどこがいいんだぁぁぁあ 「田中か……ならしょうがないなぁ」 「田中ならしょうがないよな…」 そう言ってトイレから出て行った長居と富戸沢…、
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