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「あ、えーと…ドッチボール大会だが、1クラス30人しか出られない。
うちのクラスは35人だから…5人出られねーな。その5人は見学だ。
んで、その出られない奴等を決めようと思うんだが、サボ…出たくない奴挙手ー」
先生絶対サボりたい奴って言おうとしたな。
先生が言うと、俺を含め手が6本あがった。
いや、だってめんどくさいし……
俺以外は全員体育が苦手そうな人達だった。
「1、2、3、4、5、6………と。六人か、一人オーバーだな。よし、夏目沙伊。お前が譲れ。」
「え、ちょ、なんで俺なんですかー?」
「こんなかで一番お前が運動神経マシそうだからな、それとお前どうせサボりだろ。」
正論すぎて反論不可能。
悔しいから軽く睨み付けてやったが普通に流された。ちくしょう
「そんじゃあ次は……王様だな。」
先生がやりたい人挙手…と、言ったが誰もあがらない。
そりゃそうだ。
王様というのは生半可な気持ちではやれない。
クラスのリーダーであり、責任者。
どんなに他の生徒が頑張ったって王様がやられたらおしまい。
皆の努力は水の泡。
そんな役をやろうと思う人はまずいないと思う。
じゃんけんかな…と、思っていると、手があがった。
「お、千、やってくれるのか」
まさかの転校生。
皆も転校生の方に注目をする。
注目を受けたまま転校生は口を開いた。
「俺は、あの茶髪の……えーと、夏目?がいいと思います!!」
へー、茶髪で夏目ねー………って……
「え、俺!?」
思わず席を立ってしまい椅子がガタッと音をたてた。
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