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「…………そんなことより、一暴れしない?」
「……まーた海は調子にのって……」
一暴れってことはなにかイタズラしようぜ!ってことだろう。
どうせバレないんだろうし開き直って大暴れしようぜ!とか思ってるんだろう。甘いな!
「お前はただでさえ人気でじろじろと顔見られてんだから危険だって。」
「大丈夫だって。副会長モードの俺と素の俺とは雰囲気も違うだろうし大丈夫だって。やってやろーぜ。」
「……海ストレス溜まってるでしょ」
「そりゃそっちもだろ。無理すんなって。沙伊も実は暴れたいんだろ?」
「顔に書いてある」って茶化してくる。
……ここは反論するべきなんだろうけど…。
いかんせん、当たっている。
「……そりゃそうだけど…。」
「ならいいだろー。ここで優等生面すんなって。固いこと言わずにほら、カツラとカラコン取る取る!」
「わ、ちょ…」
海に髪を引っ張られる。
痛い痛い痛い!!!
「ちょ、簡単に取れないように何個もピン使って止めてんだから!!」
「あ、わり。」
「王道ならここで取れるんだけどな…ガード高いな。」とか呟いてる海にカツラの方は任せて俺は鞄を手繰り寄せてコンタクト入れを出す。
丁寧に目からカラーコンタクトを取りだし、コンタクト入れに入れる。
「よし、できた。」
「ちょ、ま、お前ガード高すぎ…」
海は俺のカツラをつけるピンに悪戦苦闘。
そりゃそうだ。
毎日頑張って着けてるからな。
変にバレて海の言う総受けとかにはなりたくないしなー。
…そうだ。
「海、ダークブラウンの髪染めスプレーならあるけど。」
「……スプレー髪痛むじゃん」
「そんなボサボサ頭でなにを言う…」
海にスプレーを押し付け、髪染めさせる。
その代わり俺は自分の髪のピンを外していく。
「……全部じゃなくてもいいよな?」
「もち。グラデでいいと思う。」
「了解」
海は妥協したようで大人しくスプレーを自分の頭にかけていた。
と、カツラとれた。
ふわりと地毛の銀髪が現れる。
うむ、涼しいな。
カツラとコンタクト入れと、それから
ヘアピンを鞄を忘れないように詰める。
「海、終わったけど。」
「ん、俺も。」
ほいっとスプレーを投げられる。
高かったんだからもっと大切に扱ってよ……。
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