核爆弾投下。

31/33
前へ
/91ページ
次へ
受け取ったスプレーを鞄に詰める。 「んじゃ行くか。」 「あ、待って鞄は?」 「帰り取りに来る。そこの奥に隠しておこうぜ」 そうやって指差したのは会議室の……天井。 はい?と思ってじーっと見ているとなんか取っ手のようなものを見つけた。 「ほら、鞄貸せ。」 なんであんな所に取っ手が…とか思ってたら、手に持っていた鞄を盗まれるように奪われた。 海は俺と自分の鞄を片手に持ち、助走をつけて走る。 そして思いっきり飛んだ。 天井に伸ばした手は上手く取っ手を掴めたようで「ほっ!」と言いながら今度は取っ手を持って落ちてきた。    取 っ 手 を 持 っ て 「「………………。」」 俺と海の間に気まずい空気が流れる。 「……こーいうときもあるよ。」 「やめろ。生暖かい目でこっちを見んな。」 慰めてやろうと思ったけど逆効果だったようだ。すまそ。 「………。」 けど……。俺はじーっと天井を見つめる。 ……もしかして 今度は俺が助走をつけてジャンプして…さっきの取っ手があった場所を思いっきり押す。 ガタンッ 開いた。 「……やっぱ押す式なのかー。」 「設計者誰だよ。ぶん殴ってやる」
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2057人が本棚に入れています
本棚に追加