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私はさっきまでのがすでに本気。あれ以上の力なんてだせない。
しかしクロードはどんどんせめてくる。
クロードが無傷なのに対して私は傷だらけ。
気をそらせればいいのだが・・・。
私は足元にあった石を2人にばれないように力強く蹴って向かい側にあったカンにあてた。あたるかはいちかばちかだったもののあたったことにとりあえず安心。
そしてその拍子に大きな音をたててカンがふっとんだ。2人は大きな音に驚いてカンの方を向いた。
(今しかない!!)
そう思った私は力の限り走り出す。
すぐに追いかけてこないことをみるとうまく逃げられたのだろうか。
私は近くにあった建物の中に入り、一息つく。もちろん全速力だったため息苦しい。
「隠れてないででてきなさい!ふざけてるんじゃないわよ!!」
水無月の怒鳴り声。すぐ近くから聞こえる。
見つかるのは時間の問題かもしれない。
「水無月。あんまり大きな声を出すと気づかれますよ。」
クロードのあきれ声。
全身が震えているのが自分でも分かる。
『どうしよう』その言葉だけが頭の中でまわっている。
カツン、カツン。
私のいる建物の奥から足音。
息が・・・止まりそう。
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