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「聞いてる?・・・まぁいいか。けがない?」
凛とした声。そんなことを思いつつ彼女の問いにうなずく。
「助けてくださってありがとうございました。」
あわてておじぎをする。お礼をきくと軽く微笑んでくれた。
彼女がじっと私を見てくるので首をかしげる。
「私はリフィア=レイルナ。貴方は?」
名前を聞いて彼女が外国人なのかと思った。
「白雪 華月季です。」
知らない人に名前を教えるのは気が引けるけど、リフィアは命の恩人だから。
あと逆らうことのできないオーラをはなっていた。だから答えた。
それにしてもリフィアか。可愛い名前だな。
リフィアは私の名前を聞いた後再び私をじっと見てから口角を上げた。
『それじゃあ、またね。』
意味深な笑みと言葉を残してリフィアは去っていった。いったいなんだったのだろうか。
また・・・次に会うことを確信しているのか。心あたりなんてない。
深く考えてもきりがないのだけれど。
そしてそのままCRIMEに向かう。あんなっことがあったのにそのまま店に向かう私は変わっているのかもしれない。
店には先客がいた。2人。
青いリボンで長い髪を二つに結んだ少女と何もかもやる気がないような目をした、黒髪の少女。下のほうで横に髪を束ねていた。
店に入った瞬間、2人にすごく見られた気がした。
早々と買い物を終えると店を出た。
私の家はここからそれなりに遠い。雲が青空を覆ってきた。
「雨、降らなきゃいいけど。」
1人でぽつり、つぶやく。あいにく今は傘を持っていない。
カツカツ。
店を出たときからだった。
最初は気のせいかと思っていた。10分ほど歩いたのに、まだついてくる。不気味な足音。2人分。心あたりはある。
きっと店にいた2人の少女。
早々と買い物を終えたのはあの2人がずっと私を見てきていた。怖くなった私は急いだんだ。
本当はもっと店にいたかった。
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