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もし見つかったら。
今度こそ私は殺されてしまうのだろうか。私は・・・まだ死にたくない。平凡な日常だけどまだ少ししか生きていない。
これからくるかもしれない幸せをまだ知らない。むしろこなくてもいいから葉希や他の友達ともっと一緒にいたい。
そんなことを考えているうちに足音はやんでいて、2人は通り過ぎていたようだった。
リフィアは口にあてていた手をどけてくれた。深呼吸をする。
「さっきの問い、よく考えといて。貴方の人生がかかっているんだから。」
『生きるか死ぬか』。それがリフィアの言う『問い』。
その問いは少しおかしなことだと思う。
生きるか死ぬか、なんて誰だって死にたくなんかない。
そんな当たり前のことを聞く彼女の意図が分からない。ありえないことが起こっている今、何が正しいのかすら分からなくなってきているが。
「問いの意味がわかんない・・・。」
そう小さくつぶやく。私の言葉を聞いてリフィアはうなずく。
「少し、ヒントをあげようか。生きるのなら常に命の危険にさらされておびえ続けることになる。死ぬのなら私が貴方を殺す。でもおびえ続ける必要はない。どっちもどっち、か。少しといいつつヒントをあげすぎたね。」
ヒントは分かりやすかった。
しかしなぜ、リフィアに殺されるはめになるのだろう。選べ、なんて。おびえ続けるのも殺されるのも嫌。
なぜ私がこんな目にあわなければならいのだろうか。
選びたくなんか、ない。
リフィアは私の考えていることを見透かすかのような瞳で私を見てはぁ、とため息をついた。
「さっきの2人。また殺しにくるだろうね。死ぬ前に選んでもらわないと困るんだけど。」
その言葉に寒気がした。
次にまた来られたら今度こそ死ぬかもしれない。私はどうしたらいいのだろう。
「また答え、ききにくるから。それまでは。ちゃんと考えといてね。」
私は呆然と立ちすくんでいた。
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