契約しようか。

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あの騒動から数日がたった。 今のところは何もおきていないが、いつ何が起きるか分からない。学校でも友達と話している時に考えてしまい心配されている。 もちろん内容は話してはいない。まだ、あの問いには答えていない。 選んでいない、わけではない。このまま何も起きないで、今まで通りの日常をおくりたい。 今日が終われば明日は土曜日。きっと家から出ないだろう。 「白雪さん。大丈夫?顔色悪いけど・・・。」 そう声をかけてきたのはクラスメイトの尾川 空斗<おがわ くうと>。顔が整っていて、性格もいいので女子から人気の男子。 「大丈夫、大丈夫。気にしないで!!」 笑いかける。本当は大丈夫ではないのかもしれない。 しかし、悲劇のヒロインぶるつもりもさらさらない。空斗は眉をひそめたものの、深く追求しないでいてくれた。 それがせめてもの救いだった。 空斗が自分の席にもどると、すぐに葉希がやって来る。なぜか口角をあげてニヤニヤしながら。 「尾川君に心配されていましたなぁ。いやぁ、青春、青春、青い春。」 しゃべり方誰だよ、と思いつつもろくでもないことを言う葉希を軽く睨む。 「そんなわけないじゃん。葉希のばかたれー。」 私はそう言って葉希にデコピンをした。かなり大ダメージだったようで、少し涙目になっている葉希を見て少し笑ってしまった。 危機迫っているわりに意外と余裕そうな自分がいて、さっきまで悩んでいたはずなのに馬鹿らしくなってさらに笑えてくる。 その様子を見ていた葉希も嬉しそうに微笑んだ。 彼女はさりげなく、彼女らしいやり方で私をはげましてくれたのだと思う。 やはり持つべきものは親友だ。
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