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実際、この部屋にこもってから6年たつ。
空腹は感じるが、まだ大丈夫。
耐えられる。
「姉上ェ...」
私の事を「姉上」と呼ぶこの声は、次女のクレア。
「姉様!!私にまた編み物教えていただきとうございます!!」
「姉様」と呼ぶのは、三女のミレア。
「...クレア、ミレア。今日は出直そう。パレア、また来るからね」
この声は長男で私の兄のキリナト。
扉の外から兄妹達の声が聞こえなくなったのを確認してため息をつく。
私の兄妹は6年間1日もかかさず、毎日私を呼びにくる。
一応、部屋にこもる前に手紙は残しておいたのに。
『ちょっと引きこもりします、ほっといて下さいね。byパレア』
なのに、あの3人は初日から部屋の扉を叩きまくった。
まぁ今となっては遠い記憶の中だが。
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