4722人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくして、女性の泣く声が聞こえなくなった。
「もう大丈夫か?」
「大丈夫です」
俺が女性の方を向くと女性の目は赤くなっていた。
まあ普通主人公なら胸で泣かすんだろうが、あいにく俺は主人公じゃない。ましてや好きな人でもないからそんな事はしない。
「そうか1つ良いことを教えてやる。他人に自分の限界を決めさすな。それだけは覚えておけ」
おそらく小説通りならこの女性には膨大な魔力があるはず。
それに詳しくはわからないが、さっき女性の話を聞いて不自然な所があった。
「ありがとうございます」
「俺は何もしてない。それで案内してくれるか?」
「もちろんです」
女性は笑顔で答えてた。
「自己紹介がまだだったな。俺の名前は影 山本」
「私はルイです。ファミリーネームは捨てられたからないです」
自己紹介をした後町に向かって歩き出した。
「なあルイ」
「何ですか?」
「町についた後ルイはどうするんだ?」
「まだわかりません。魔力がないから町には住めませんし」
ルイは悔しそうに下を向き手を握りしめていた。
「なら俺と一緒に来ないか?」
「えっ?」
「ルイが信じるかはわからないが俺はこの世界の人じゃない」
「どう言うことですか?」
ルイは意味がわからないのか聞き返してきた。
「一度止まって話そう」
俺とルイは木陰に入り座り込んだ。
「話だが。どうやら俺はこの世界の人間じゃないみたいなんだ。俺の世界には魔法ではなく科学が発展した世界で、シナプスなんて地名も無かった」
最初のコメントを投稿しよう!