第1章

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「じゃあ、また来週から仕事頑張ろうねー!」 みんながそれぞれ自分の帰る方向へと向かっていく。 「ひなちゃん、家どの辺?」 「え?この近くですよ?」 それぞれ帰って行く同期に手を振っていると春哉くんが私に話しかける。 「じゃあ送ってく。」 「え?でも終電…」 「俺もこの近くだから大丈夫。」 春哉くんがニコリと笑うと右側にだけえくぼができる。 少年みたいですごく可愛い。 「いいんですか?」 「こんな時間に1人で歩くの危ないだろ。」 女の子扱いされるのには慣れてなくて、いちいちドキッとしてしまう。 今日はどうしたんだろう。 自分の心臓が自分のものじゃないみたい。
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