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東京駅は、普段通りに混みあっていた。
速足で歩くサラリーマン風の男や、
逆にゆっくり歩く、
観光旅行にも来たような、年配のおばちゃん達。
キャスターつきの旅行ケースを引きながら歩く若者と、様々な人達で溢れていた。
俺は出発時刻が表示されている、
電光掲示板を見ながら、
「新幹線乗り場どっちだっけ?」
と瑠奈に聞いた。
「いつも分からないんだから、あっちだよ。」 と瑠奈の指差す方向をみた。
「だって方向音痴だから、しょうがないじゃん。」
って答えると、
「そのわりには、分かってる様に歩くよね」って、
嫌味っぽい感じで言われた。
俺はそのまま、さっき瑠奈が指差した方向へ歩きだした。
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