第一章 ~異世界へのミチ~

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「いただきまーす」 2人で飯を食うのは久しぶりだな。いつもは優衣が作り置きした物を1人で食べていた。 「おいしー?」 「おいしいよ」 俺がそう答えると、結芽はニコッと笑ってカレーをスプーンですくって口へ運ぶ。 今お互いがきっと、事件の事で頭がいっぱいのはず。なのに、目の前にいる妹は笑顔でカレーを食べている。 相当気を使わせているな…。 特に会話もなく、ただ時間が過ぎていく中、俺は気を使わせている事が嫌で、事件について話そうと口を開けた。 このモヤモヤした感情を無くすには、そうする他ないんだ。 「結芽、あの事件の事なんだけど…」 プルルルル! プルルルル! 突然電話がシーンとした部屋中に鳴り響いた。
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