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もう目が覚めて5分は経つ頃、俺は布団から出る事もなく携帯をいじっていた。
どうしても冬は布団から出るのに時間が掛かる。 携帯画面の時間を見ると『7:52』の文字。
「空人(アキト)、早く起きなよ」
夜勤から帰って来た母の優衣(ユイ)だ。 凄く眠そうなので、すぐに布団から出た。
「優衣は早く寝ろよ」
この今にも寝てしまいそうな母親は心配性だ。 恐らく俺が起きるまで寝ずにいるだろう。 そう思い布団から出ずにはいられない。
父親は俺が小さい頃に、妹がまだ歩けない頃に亡くなったらしい。
そのせいか、気が付いた頃には母親の事を『優衣』と名前で呼んでいた。
優衣は嫌がったりはせず、いつも微笑んでいた。
俺を18歳で出産し、妹は20歳で出産。普通の家族より年の差が無いからかもしれない。
そんな母親が俺と妹の為に一生懸命働いているわけだ。当然無理はしてほしくない。
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