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「ん?」
教室がやけにざわついている。いつも多少のざわつきはあるが、もっと穏やかなはずなのに。
それにみんなの顔が少し険しい。よく見ると涙ぐむ女子もいる。
何がおきたんだ!?
俺は教室の入口で立ちすくんでいた。
戸惑いを隠せない俺に、親友の悠樹(ユウキ)が近づいてきた。
「空人! 沢村先生が行方不明だって。聞いたか!?」
「行方不明!?」
俺は今朝、妹が言っていた事を思い出す。まさか、本当にそんな事が起こるのか?
「やっぱり、あの事件は本当に起こるんだ」
ビクビク震えている悠樹を何とか慰めようと肩に腕を回した。
「何ビビってんだよっ! 大丈夫。きっとすぐに見つかるさっ」
震えが止まり、いつもの元気を少し取り戻したかのように、悠樹は笑った。
その笑顔は、少し悲しくも見えた。
担任の先生が行方不明だ。悲しくない方がおかしい。
人が消える。普通じゃ考えられない。
一体何が起きているんだ?
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