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チヌが来てから、二週間が経った。
「チヌ…いい加減に、オレに着いてくるの止めろ。」
「どうして?!おれ何かした?!」
首を傾げながらチヌは言った。
「どうしてって…なぜ、お前はオレの後を?」
「だって…おれ、今まで独りになった事がねえ。だから、おれの頼りはイキルしかいねえんだ。」
「…。」
誰かに頼られた事なんてない。
必要だと言われた事もない。
それなのに、こいつはオレを頼りだと言う。
なぜだ…。
オレは、ずっと独りだ…。
「イキル?」
「…好きにしろ。」
「うん!」
なぜか、突き放すなんて出来なかった。
初めて、一緒にいてもいいと思った。
「チヌ。メシ…今日は配給日だ。行くぞ。」
「待ってイキル!!」
配給日…N.C.の貴族が、食べ物を持ってくる。
週に一度、月曜日に来る。
奴隷たちの観察も兼ねて…。
「さあ、お前たち。一週間分のメシだ。さっさと取りに来い。」
「…どうも。」
イキルは、面倒くさそうに挨拶した。
「イキル…そのチビは中心街のガキだな?最近、配給でこっちに来ていなかったから、こいつがここにいるのは知らなかった。」
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