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天聖族は、自分たちは神に近い存在だと言う。
だから、奴隷を買い、気に食わなければ殺す。
何をしても許される。
オレたち奴隷は、逆らえない。
髪を毟られようが、手をもがれようが、爪を剥がされようが、殺されそうになっても…。
「ねえ、イキル。天聖族の住む街は、どんな所だろうなあ…きっと、綺麗なんだろうね。」
無邪気に、チヌが笑顔でイキルに言った。
「あんな所、嫌な臭いがして、吐き気がする場所だ。」
イキルが、眉間にシワを作りながら、嫌な顔をする。
「行った事があるの?!」
チヌが、目をキラキラとさせる。
「ああ…まあ、少しな。」
チヌを見ずに、イキルは答えた。
この世界じゃ、人は人として扱われない。
天聖族も、貴族も、見ているだけで反吐が出る。
今のこの世界に、人がまともに住める場所なんてない。
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