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「じゃあ、あの人は…。」
「この世界で、オレたちの今の名の意味がない事を知っているから、名前を欲しがらなかったんだよ。」
オレも、名前の意味はないと思っている。
だけど、顔も知らない両親が付けた“イキル”という名前。
その名前が大嫌いだ。
「名前は、あった方がいいのに。」
「あっても意味ねえ。どうせ、売られて奴隷になれば、貴族の奴らに盗られる。」
「それでも、おれは名前はいると思うけど…。」
チヌは、不思議そうに言った。
「お前にも、オレの言っている意味がわかる時が来るさ。」
ため息混じりに、イキルが言った。
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