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名前なんて、あったって意味はない。
そんなもん、この世界の、この街に住む人間には…。
ある日、女の子が一人、奴隷として売られた。
貴族に名前を盗られて…。
貴族が、イキルの方へ歩いてくる。
「よう、イキル…。ご機嫌いかがかな?」
ニヤニヤと笑いながら、話しかけてくる。
「わざわざ、オレの所へ来るな。お前らを嫌いなのは知っているだろう。嫌な、変な臭いさせやがって、近寄んじゃねえ。」
イキルは、貴族を睨みながら言った。
「そうだ、あの何日か前に死んだ男…。あれは、使い物にならなくてねえ…すぐに壊れてしまったよ。」
笑いながら貴族が言う。
「どうせ、あいつにとどめを刺したのはお前らだろ。とっとと、N.C.へ帰れ。」
「ひでえ言われようだ。…今日のあの子どもは高く売れた。綺麗な女の子どもはよく売れる。まあ、綺麗な男も売れますよ?イキル…お前みたいなな。」
そう言うと、イキルの頬を撫でる。
「触んじゃねえ、汚ねえ手で俺に触れるな。」
イキルは、そう言い切ると同時に貴族を殴り飛ばし、地面へ倒れた貴族を睨みつけた。
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