14人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、行くね」
涼は黙ったまま俯いた。
「早く足治してね」
顔を上げる事も頷く事もしない涼に背中を向け、出入り口のドアに手をかけた時、
「花乃ちゃーん」
振り返った先には、満面の笑みを浮かべた涼がいた。
「涼っ!」
反射的に私の足が一歩涼に歩み寄った。
「バイバーイ!」
陽気に手を振る涼。
アハハ
「バイバイ」
一歩踏み出した足を戻し、私も笑って手を振り返した。
心が少し、軽くなる。
心が少し、癒される。
ホント、不思議な奴。
最初のコメントを投稿しよう!